人は50歳を超えたあたりから、自分の両親からの相続が発生します。また、その後、自分から子供たちへの相続も発生します。
この両親から自分たちへの相続においても、また自分から子供たちへの相続においても、大切なことが2つあります。
1つ目は、家族間のトラブルを防ぐことです。それまで、何の問題もなく仲の良い付き合いをしていた兄弟や親戚が、相続をきっかけに険悪な関係になってしまうということが普通に起こり得ます。それは大変不幸なことであり、大人として子供たちには見せられない姿であり、絶対に避けるべきです。トラブルの防止のためには、相続の時期が近づいて来たころから、家族間で相続の仕方について話し合いをしておくことが大切です。その際に基本に据える考え方は大きく言えば社会の基本ルールである「公平」を守ることです。
2つ目は、相続税対策です。それまで一生懸命働いて蓄えてきた財産は、自分たちの豊かな老後の生活を送るためのものです。そして、残った財産は次の世代である子供や孫たちのために少しでも多く残すことが普通の人の希望でしょう。
しかし、一方で相続税という制度があります。せっかく蓄えてきた財産を相続税で多くを持っていかれるとしたら、それもまた不幸なことだと言えるでしょう。そうならないためには、早いうちから計画的な相続税対策を打っておくことが必要です。言うまでもなく納税は国民としての大切な義務です。ですから違法に税金を免れることは許されません。一方で国は相続税を軽減するための節税のしくみを多数用意してくれています。それは取りも直さず「安心」を次の世代に繋げていけるようにとの一種の福祉でもあります。とすれば、我々国民はその制度を賢く利用し、家族の各世代が幸せに生きていけるように工夫すべきだと言えると思います。相続税対策は時間のかかかるものです。早めに取り掛かることをおすすめします。